【おたよりコラム】こころの整理
「やだ」「やりたくない」「だって~」言い始めたらきかない男の子がいた。すぐ怒り、すぐ泣き、すぐすねる。わがままで、自分は何でもできる、何でも思い通りになる。そう思っているような子だった。母と約束したルールを何度も破る。姉がやっていることは自分もやっていいこと、姉が持っているおもちゃやおかしは自分ももらえる。どれほど母や姉をイライラさせる子だっただろうか。そんなわがままで自分勝手な家の中での顔。 けれど、そんなわがままな男の子は外にでると、いい子を演じる。まったくといっていいほど、自分の感情を人にぶつけるようなことはしなかった。正確には、しなかったのではなく、できなかったのだと思う。相手が納得できないことをしていようが、その場では飲み込む。怒りは胸の内に秘める。悲しいことも全部溜め込む。そうしていろんな感情で心がいっぱいになった結果が、家でのわがままにつながっていたのかもしれない。 その男の子の行き場をなくして、たまり続けていった感情が、爆発することなく、なんとかコントロールできるようになっていたのは、そんな感情を落ち着かせたり、逃したりできる場所