【おたよりコラム】ただただ歩く

ついちょっと前まで暑い夏だったと思っていたら、早いものでもう冬休み。年末年始をどう過ごそうかなと考えてみたりしている最近です。年末年始と言ったらおじいちゃんおばあちゃんの家がある愛知県に戻る。というのが子どもの頃のお決まりの過ごし方だった。戻った先で会うのもお決まりの人たち、お決まりの人たちと会って、お決まりのことをしていたのだろうと思う。それなのに、どうしても何をやっていたのかを思い出すことができない。そして、おじいちゃんとおばあちゃんの顔を思い出すことも実はできないでいる。小学生のころに亡くなってしまったということもあるけれど、年に数度会うだけだと、こうも覚えていられないものかと残念にすら感じる。でも、覚えていることもある。ただ、覚えていることはお決まりのことではないことばかり。おばあちゃんの思い出は、とっても大切にしていたくまのぬいぐるみを縫ってなおしてもらったこと。料理のために台所に立つ後ろ姿。奥のひっそりとしたところにあるトイレにまでの怖い廊下で話をしてくれたこと。少ないと思われるかもしれないけれど、これでも多い方。おじいちゃんはもっと少ない。家の掘りごたつでみかんの皮のむき方を教えてもらったこと。それから、白鳥が飛来する公園まで朝から二人っきりで歩いて行った時の、道の青信号。「白鳥をみつけた!」という喜びでも、おじいちゃんと話した内容でもなく、覚えているのは信号機だけ。言葉で表すと、とても寂しくも感じるけれど、このおじいちゃんとの散歩を振り返ると、かならず、とてもやさしくあたたかい気持ちに包まれる。なにを話していたのか、私がどんな気持ちだったのか、どうやって帰ってき

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