【おたよりコラム】素直の強さと向き合う強さ
夏の暑さも落ち着いていた日の昼過ぎ、ゆっくりと道の向かいにあるセブンイレブンへお昼ごはんを買いにいっていた。歩いて帰ってくると、外のしばふにでて、私をよんでいるお母さんがいる。だれか怪我でもしちゃったかな。そんなことを思いながら、早足になる。入り口に着くと、「虫が」「大きいの」「ハチみたいなの」「ここ」短い言葉でおもちゃのある窓のところまで誘導される。みてみると10cmもありそうな大きめの虫が窓の枠に止まっていた。その虫の周りを囲むかのようにお母さん方と子どもたちがいた。近寄ろうとする子どもと、引き止めるお母さん。鮮やかな黄緑色に、尻尾は黄色と黒。大きな櫛のような触覚に、長い足。見慣れぬ生き物に、質問が飛ぶ。「ハチ?」「ささない?」「かぶれない?」私の返答は「蛾だと思う」「ささないと思う」「でもかぶれるかもしれないから、触らないほうがいいかも」というぐらいだった。その時の私は、その虫のことを『知っている』と嘘をつくことなく、『知らない』だから『調べる』という行動をとることができた。そうして、調べている時に思った。きっと子どものころの私は『知らない