【おたよりコラム】一言で
「おい!いまなんていった!なんていったんだよ!」突然の怒鳴り声に、歩いていたランドセルの子が立ち止まる。急にでてきた大人が、つかつかと詰め寄ってきて、目の前に立つ。ランドセルの子は、まずいことをしたという表情になる。まわりを歩いていた子たちもみんな立ち止まっている。それでも、その大人はその子に対して、絶対してはならないと叱りつけていた。この叱られている子は学校帰りの1年生。黄色いカバーをランドセルにつけて毎日歩いている男の子。そしてしばふハウスからでてきて、その子に怒鳴り声をあげている大人は、まさしく私自身だった。
怒鳴り声の前、なにがあったのか。ランドセルを背負って通学路を歩く男の子は、学校帰りに、「いま何時?」といつも元気に声をかけながら、しばふハウスの中の時計をのぞいていく。それがいつものできごととなっていた。そしてそれはその日も変わらなかった。でもその日はもう教室が始まろうとしているときのことで、しばふハウスのカーテンは閉まっていた。閉まっていたけれど、隙間もある。その隙間から、時計を確認しようとのぞきこんでいた。いつもと違ったのはここ