【おたよりコラム】だれかがみていることが
ぐっと力の入る低い姿勢。「よーい」という声。全神経を耳に集中させる。バン!!その音でとびだす。そのまま一気に駆けぬけていく。緊張からの解放。その気持ちよさ。「ねぇねぇ!」「みてた?」「何位でしょう?」いつもの何倍も口数が増える。誰かにいいたくて仕方ない。楽しくて楽しくて表情もずっと笑顔。イベント好きの私が1年で一番ワクワクする学校のイベントが運動会だった。各学年男女8名ずつが選ばれる代表リレーの選手にずっとなれたことはワクワクを高めていたひとつの理由だと思う。私の学校では低学年の代表リレーと高学年の代表リレーがあって、高学年の代表リレーは運動会のトリ。最後の盛り上がりどころだった。5年生のときの代表リレー、わたしへのバトンは4位で渡ってきた。「はやくこい!はやく!」そう願いながらバトンを受け取る。バトンパスでひとりぬき、カーブでひとり抜き、最後のストレートでもうひとり。なんと4位から1位への全員抜き!抜く度にわーっと盛り上がる声援。リレーはチーム優勝!完全にヒーローになっていた。その日、るんるん気分で家に帰った後、少し暗くなってくる夕方ごろ、近く
【おたよりコラム】「家の顔」と「外の顔」
「あつい!というか痛い!」「 服ぬらしたのに、すぐ乾いちゃう~」「うわ、鍋の持つところが溶けた!!」汗を流し、熱さで身体を真っ赤にしながらも、炎と戦い料理をする高学年の子たちがいた。めちゃくちゃ熱くて過酷な場所。役割というわけではないので離れてもいいし、離れたら楽なことは間違いない。それでも料理ができるまで長い時間、離れていく子はいなかった。
先の様子は今年のこどもキャンプでの出来事だけれど、キャンプに限らず、この夏休み、楽をするのではなく、大変なことを楽しむ子たちをたくさんみてきた。列の一番後ろに並び、みんなをフォローする子。ボールが遠くにいってしまうのをみつけると毎回走ってとりにいく子。全員が使ったコップを洗ってくれる子。ものすごくキャッチするのが難しいボールに、何度も挑戦し続ける子。誰もできない知恵の輪を粘り続ける子。暑い中ずっと立ちっぱなしで、射的のお店をやってくれた子。どの子も私からやってとお願いしたわけではない。自分でやりたいことをみつけたり、できることを探して「もう一回やりたい!」「重い荷物もつよ!」「みんなの水いれてくる!」「