【おたよりコラム】一部分

 20年ぶりに歯医者に行った。小学生以来の歯医者。私自身のメンテナンスをする癖をつけていこうと健診にいった。久々の歯医者にとてもドキドキしながら口を開けていた。「虫歯はありませんね」という言葉に、ほっとして、緊張がとけた。ただ、「奥の2本に磨き残しがあるので、気をつけてくださいね。親知らずも生えているので、大変かもしれませんが」とさらっといわれ、あわてて聞き返してしまった。「親知らず、生えているんですか?」と。親知らずが生えているなんて全く思っていなかったため、本当に驚いた。でも驚きはまだ続く、「ほっぺた噛んじゃいました?」こちらも全く思いもしていなかったので、噛んだかなぁと思い返しながら、口が開きっぱなしで、「あー」と間抜けな声しか出せない私に「かなり強く噛んだような痕がありますよ」と教えてくれた。噛んだ場所を教えてもらい、舌で触ってみて、はっとした。考え事をしている時などに、左のほっぺを噛む癖があると気づかされた。

 たった10分ぐらいの間に自分自身の知らないことを2つも気づかされた。どちらも私自身のこと。自分自身のこと、誰よりも知っているはずと思いながらも、ほとんどわかっていないのかもしれないと改めて感じた。口の中という私からは意識できない私を別の人にみてもらうことではじめてみえてくることがある。ただ、歯医者にいった私は口の中をすみずみまでみられているけれど、20年ぶりの歯医者に不安になり、ものすごく丁寧に歯を磨いてから歯医者にいっている。歯医者がみている私の口は、それなりにきれいになったよそ行きの口だ。歯医者がみるのはいつも通りの口ではなく、歯医者向けに整えられた口でしかない。結局、全部はわからない。歯医者にみえるのは、「一部分」でしかない。

 自分でもわからないし、他の人から見てもらっても見えるのは「一部分」。たくさんの人がみつけるひとつひとつの「一部分」を集めていくことで、ぼんやりと全体がみえてくる。そのようなものなのだと思う。

 今教室で一緒にいる子どもたち、私が教室で見ている部分は「一部分」。それは家でも学校でもみることのできない「一部分」。集中して机に向かっている時の「一部分」と自由に意見を発言しているときの「一部分」、教室の中だけでもたくさんの「一部分」をみつけていきます。そのみつけた「一部分」を子どもたちに、「私ってそんなこともできているんだ!」「そんなよさもあるんだ!」と自信につなげていきたい。また、家でのスイッチをオフにしているお子様の姿をみている保護者のみなさまには外で頑張っているお子様の「一部分」をみつけてお伝えしてまいります。

 4月3日、姉の結婚式がありました。真面目すぎるというぐらいの真面目な姉。でもそれは不真面目な弟からみた姉の「一部分」でしかなかったのかもしれません。親から、恩師から、友人から、そして、結婚相手の旦那さんからは私からとは違う素敵な「一部分」がみえているのかもしれないですね。

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