【おたよりコラム】こころの整理

 「やだ」「やりたくない」「だって~」言い始めたらきかない男の子がいた。すぐ怒り、すぐ泣き、すぐすねる。わがままで、自分は何でもできる、何でも思い通りになる。そう思っているような子だった。母と約束したルールを何度も破る。姉がやっていることは自分もやっていいこと、姉が持っているおもちゃやおかしは自分ももらえる。どれほど母や姉をイライラさせる子だっただろうか。そんなわがままで自分勝手な家の中での顔。

 けれど、そんなわがままな男の子は外にでると、いい子を演じる。まったくといっていいほど、自分の感情を人にぶつけるようなことはしなかった。正確には、しなかったのではなく、できなかったのだと思う。相手が納得できないことをしていようが、その場では飲み込む。怒りは胸の内に秘める。悲しいことも全部溜め込む。そうしていろんな感情で心がいっぱいになった結果が、家でのわがままにつながっていたのかもしれない。

 その男の子の行き場をなくして、たまり続けていった感情が、爆発することなく、なんとかコントロールできるようになっていたのは、そんな感情を落ち着かせたり、逃したりできる場所があったから。

 その逃す場の一つは、どんな話でも笑顔で聴いてくれて、自分の考えを全部受け止め、こちらが自分でどうするか決めるまでじっと待ってくれる、そんな相手の存在。そばにいるよ、と言うかのようにそっと身をまかせるように体重を預けてくれる愛犬リブラ。リブラにどれだけ救われたかは、言葉にできないほど。

 そしてもう一つは、サッカーにのめり込むことができたからだと思う。普段感情をあまり出せない自分だけれども、スポーツをやっている時だけは、勝ちたい、負けたくない、という気持ちを前面に出すことができた。自分でも別人のようだと思えるぐらいに、熱い気持ちがふつふつと湧き上がってきていた。そんな別人のような自分だけれども、スポーツをやっている時こそ、本当に自分になれていたように感じていた。スポーツには悩まされることも多かったけれど、まっすぐ成長できたのはスポーツがいつも自分と一緒にあったからだと思う。

 そして、もうひとつ、自分を表現する方法があったということもとても大きかった、と今になって思う。人に表現してなにかを伝えるというほどのものではない。でも、ずっとやっていたピアノは、その時の自分でも気付いていない自分自身の気持ちを教えてくれるものだった。練習も楽しかったサッカーとは対照的に練習は嫌いで嫌いでしかたなかったけれど、一つ自分の世界があったということがとても大きなことだった。

 子どもの時に感情のコントロールをすることはすごく難しい。それこそ、静かにずっといることほど、子どもらしくないことはない。そして、それと同時に思う。いつになったらたくさんの感情を自分のものとすることができるのだろう。大人になったら感情をコントロールできる、といいたいところだけれど、実際のところ、私自身が感情に揺さぶられることも多い。気持ちを自分の中で整理して、表現すること、これほど難しいものはないのだろうな。と改めて感じる。子どもたちもそして私も、もっともっとたくさんの感情を味わって、一緒になって成長していくことができればいいなと思う。その時に子どもたちのどんな感情もさらけだせる場に私自身がなれればと思う。

三尾 新

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