【おたよりコラム】相手のことを想う

February 12, 2018

 学校の外、正門から出てちょっとのところ、道のはじっこに、ふたりの女の子になぐさめられながらひとりの女の子が泣いていた。その様子をみつけた男の子は、ものすごく複雑な気持ちで、自転車に乗りながら通り過ぎようとしていた。

 

 その日は2月13日、翌日が週末で休みということもあり、この日が世の中の男の子は1日中ソワソワしてしまう日となっていた。そんな日の昼休みに2人組の女の子にいわれた。「今日の帰り、正門のところで待っててよ!帰らないでね!絶対だからね!」この言葉に『やった!きた!』とものすごく嬉しくなっていたけれど、素直に「ありがとう、わかった!」なんていえるわけもなく、結局「えーー」「わかったよーー」などと受け流すようにいってしまう。その後の授業なんてうわの空、なにも頭に入るわけがなかった。「誰からだろう、〇〇ちゃんかな~」「行ったらなんて言われるんだろう~」そんなことばかり。そうこうしているうちに帰る時間に。すっと約束の正門に行くこともできずに教室や廊下でみんなが帰るまで話をしていた。話していた友だちももう帰ると言い、もういくしかない、そんな気持ちのまま昇降口へ。くつを履き替えると、外には声をかけてくれた女の子2人にさらに2人増え、4人の女の子がいた。遅いよと言わんばかりの顔、口々に言われる、「はやく!」「ちゃんといってよ!」と。でも、誰かに見られながら受け取るということが、恥ずかしくて耐えられなくって、逃げようとする。逃げようとすると、腕をつかまれる。つかまれると、もう振り切って逃げるしかなくなる。その様子を正門で待っていた女の子に見られる。なんともいえない「あぁ」という気持ちでいっぱいになる。それでももう引き返せない。そのまま走って逃げ帰ることになってしまった。

 

 帰り道、待ってくれていた子がちょっと気になる子だったということもあり、受け取りたかったと悔しくなる。でも、あんなたくさんの女の子がみんなでみようとしていたから受け取れなかったんだ。ひとりだったらちゃんと受け取ったはず。相手が悪い。そんな言い訳を心の中で思っていた。


 家に帰るといつものように、ランドセルを放り投げ、ボールを持って、自転車に乗って、遊び場に。その遊び場こそ、さっきまでいた小学校。さぁ、小学校に着く、誰か来てるかなとワクワクしていた時、道のはじっこにみつけた。先ほど自分が逃げて帰ってしまったことで、涙している女の子を。そのあと、謝ったのか、心の中で言い訳をしながら遊んでいたのかは覚えていない。


 そんな小学6年生のバレンタインの記憶。今でもバレンタインといったら、最初に出てくる記憶。きっと人の想いを踏みにじってしまったという後悔が強く残っているんだと思う。想いに対して素直になれたら、相手の気持ちを大事にすることができたら、そんなことを小学生の男の子に求めても難しいことだと思う。でもきっと相手の気持ちに気づくことができたから、記憶に残っているのだと思う。言葉にして表現することはできなくても、どんな年齢の子であっても、相手の気持ちに気づくことができる。今は失敗をしてもいいと思う。たくさん失敗をしながら、感じ取った相手の気持ちを大切にできるようになってほしい。私自身がそうであったように。

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