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【おたよりコラム】成長と実感

  子どもたちの夏休みが終わり、お祭りの延期からスタートしたしばふハウスの夏のイベントが全て終わった。今年はいつも以上にピリピリと神経をすり減らしながらの開催だった。全て無事に終えることができたこと、がんばった自分にご褒美をと、ちょっと自分の時間を作った。なにをしたのかというと、トランポリンが一面ひろがる施設にいき、遊んできたというだけなのだけれども、これが想像以上に楽しく、とってもすっきりする。やっていることはトランポリンの上でジャンプするだけ。もちろん、膝や背中で飛んでみたり、ちょっと回ってみたり、いろいろな跳び方の幅がある。でも基本は跳ぶだけ。それも2時間。自分はなににこんなに魅力を感じ、ワクワクしているのだろうか。身体を動かすことが楽しい、身体をつかった!という疲労感が好き、ちょっとした怖さを乗り越えるドキドキ感。いろいろ混ざり合っている。でも一番私に満足感を与えてくれ、また行きたいと思わせてくれるのは『成長の実感』なのだと思う。  高くまっすぐきれいに跳ぼうとする。できた!膝で跳んでみよう。なんかうまくできなかったなぁ。もう一回やってみよう。できた!次は、お腹で跳ねれるかな。できたけど、痛かったな、もう一回。できた!じゃあ、次は、宙返りをしてみよう。あ、でも久しぶりだと怖いな。心臓がバクバクしてる。そんなことを感じながら、「やってみよう」と「できた!」を繰り返す。できなかったことも何度かやるうちにできるようになる。お、なんか今のいい感じ!そんな感覚も何度ももらえる。身体をつかうことの良さはこの「できた」をたくさん得られること。今までできなかったことができるようになっていく感覚を短期間でたくさん感じられることだと思う。この「じゃあ次はなににチャレンジしてみようかな~」というポジティブな感覚はそのまま自信をになる。そして失敗したことは「できた」の強烈な喜びにかき消されるようにほとんど記憶に残らない。そうして楽しかったという記憶として残っていく。  大人になるとこの小さなできたという成長を日々感じることは難しくなっていくように思う。大人になるとできることをやるようになるから、失敗は減る。反対かもしれない。失敗をしたくないから、できることだけをやるようになるのかもしれない。失敗を避け、挑戦をしないと「できるようになった」という成長を感じる数が減るのだと思う。そんな失敗しない大人の様子をみた子どもたちはやってみようという挑戦ではなく、失敗をしないことを望むようになる。それもある種大人になるということなのかもしれないけれど。今の大学生は社会人になることを考えた時、不安が先立つ子が多いと聞いた。失敗したら取り返しがつかないんじゃないか、などと考えるみたい。当たり前にできないことに挑戦する人がまわりにいるということがなによりも挑戦しようという大きな力になるのだと思う。トランポリンでもなんでもどんどんできないことに挑戦し失敗を積み重ねられる人は未来の「できた」を楽しみにできる人だと思う。小さな挑戦と小さな成長の実感、それと一緒にある数多くの失敗。そんな経験をたくさん積み重ねてほしいなと思う。  どんな「できた!」でもよいのだと思う。でも縄跳びやリフティングのような回数がわかるもの。走る速さや息を止めている時間などの時間がわかるもの。あとはできたか否かがはっきりするものだと、より「できた」の喜びがわかりやすく、自信につながると思う。どんなことでも、なにかちょっとでも成長したという感覚を日々味わいながら、みんながすごしていけたらいいなと思う。毎回子どもたちに聞いてみるのもいいかもしれない。「今日はこれができるようになった!」私から子どもたちにもできたことの報告をしてみようと思う。昨日より今日、今日より明日、どんな成長が待っているのだろう。子どもたちのこれからの成長と、私自身のこれからの成長にも、ワクワクしながら。

三尾 新

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