【おたよりコラム】ポジティブとネガティブ
今年の夏休み、前半戦は天候にとってもめぐまれて、いろいろなイベントを順調に楽しむことができた。「これはもう雨男が治ったのでは?」と思うぐらいに調子がよかった。でもだんだんと雨男っぷりを発揮し、後半戦は、イベントと雨が重なることも多くなってしまった。すごかったのは、原産業さんで行った「みんなで花火」と「プールであそぼう」で川越水上公園にいったとき。どちらもバケツをひっくりかえしたようなという表現がぴったり当てはまるような雷雨だった。どちらも「うわぁ雨だ、最悪」「雨、やだなぁ」そう捉えることもできるけれど、こんなゲリラ豪雨こそ、夏らしい出来事のひとつとして、なかなか味わえない出来事をみんなで楽しんでしまおうと捉え方を変え、笑顔いっぱいで無事イベントを終えることができた。もちろん安全が第一なので、なんでもやってしまえばいい、というものではないけれど、きっとこの夏を振り返った時に、記憶にのこるワンシーンになっているのではないかなぁと思う。
イベントいっぱいの夏休みは、雨に限らず、出来事ひとつひとつに対して、子どもたちがどのように捉えるかに向き合い続けた日々だった。暑いときに、外にでることもあったし、長い距離を歩いてもらうこともあった。重い荷物を運んで歩くこともあれば、熱い火を扱って汗だくになりながら料理をすることもあった。「暑い~」は「夏っぽくていいよね!」「水遊びが気持ちよさそう!」「このジリジリする日差しが夏らしくて好きなんだよね~」と、長く歩く時も「すごい、たくさん歩けるね!」「自転車とか車の便利さがわかるね!」、ながい急な坂道も「後ろ向きであるけば下り坂だよ~」「帰りは転がっておりたらはやいかもね」などと声をかける。大変そう、嫌だなぁと感じることでも、それを楽しんでいる人がいたら、楽しいのかもと思えてくる。楽しそうにしている人の言葉ひとつで、見え方が一変する。雑草抜きでも、ゴミ捨てでも、伝え方次第で、やりたくなる。そしてやってみたら、意外となんとかなった、楽しかった、と次につながるプラスの感情を感じることができる。もちろん「やっぱり大変だった」などネガティブな感情もあるかもしれない。でもこれも言葉の力は偉大なもので、「大変だったよね」を笑顔で楽しそうにいうだけで、大変だったことを乗り越えたという楽しかった思い出にもなるし、「でも、あっというまにできたね!」「でもがんばるとおいしいね!」というだけで、がんばるっていいかも。と思うことができる。ネガティブとポジティブはちょっとした角度の違いでぱっと変わるもの。どうしたら、常にやってみようと思えるか、そんなことを考えながら、ひとつひとつ言葉や表情を積み重ねてきた。 でも、ネガティブがダメで、ポジティブが正しい!というわけではない。ネガティブは失敗が少なくなるし、先を考えられるようになる。私は根がネガティブだからこそ、子ども関係のことができているのだと思う。安全管理などを想像するときに、ネガティブさが役に立っていると思っている。ただ、子どもの成長を考えるとポジティブに捉えられる方が、楽なことや、たくさんのやってみようにつながるので成長が早くなることも多い。結局はバランスとタイミングで、ひとつのことをネガティブにもポジティブにも捉えられるようになるとよいのだと思う。 私は子どもの頃から「雨男」と言われ続けている。「雨男」というといやなイメージが多いかもしれない。でも実は私は気に入っている。しばふのイベントが雨と重なった時、子どもたちの矛先は「みおが雨男だから~」と私に向く。これは本当に最高で、雨だった、というがっかりを、親にぶつけたり、雨は最悪とならずに、なにか「みおが雨男だから仕方ない」とやるせない気持ちを、やんわりそらすことができる。子ども向けのイベントをやっている者としては最高の特徴なのではないかと思っている。多くの人にとってネガティブに感じることも、自分だけでもポジティブに受け止められたなら、幸せがぐんと増えていくし、その幸せには、さらにたくさんの幸せが集まってくる。私自身、幸せが増えていくように、ポジティブ多めでとポジティブとネガティブを使い分けていけたらいいなぁと思う。
三尾 新
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