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【おたよりコラム】次の人への意識

 キャンプの最終日。みんなで遊べる川に行った。天気もよく、まさに川遊びにもってこいの日。川の流れにのって流れてみたり、水をかけあったり、生き物を探したり、みんな思い思いにきゃーきゃーいいながら遊んでいた。そんな川で思いっきり遊びきって「さぁ帰ろうか」というタイミング。川に遊びに来ていた他のお客さんに声をかけられた。「こんな大人数なのに、子どもたちがまとまっていて、すばらしい」と。その川はもちろん他のお客さんもいる川。誰もが遊べる区切りがない場所。誰しも「思いっきり遊びたい」そう思える場所。そんなところに全体で50人をこえる子どもの団体。迷惑をかけてしまって当たり前。もし私が遊んでいるところに50人の団体がきたら、私は嫌だなぁと感じ、離れてしまうと思う。今回のしばふハウスの団体はそう思われてしまう側。それでも、他のお客さんに離れられることもなく、すっと移動し、思いっきり遊ぶことができた。そんな子どもたちの様子を褒められた。  夏休みの最後、イベントで子どもたちと電車やバスに乗って移動をしていた。公共のバスに乗ったとき、既に席は満席で、子どもたちは立って過ごすことになった。15人がバスの真ん中の通路に立つ。子どもたちをあたたかい目で見てくださる方もいるけれど、嫌そうな目をしている方もいた。10分ちょっとの時間ではあったけれど、途中で乗ってくるお客さん、降りるお客さんもいて、バス内を歩く方々も多かった。嫌だなぁと感じられないようにどうしたらよいかを考えようとバスに乗る前に伝えてはいたけれど、伝えたこととしては「相手の気持ちを考えてね」ということだけだった。バスの中、大きく揺らされないように手すりにしっかりつかまっていた子どもたちは一言もしゃべらず、通る人たちにすっと道をあけていた。このバスでも降りていくおばあちゃんに声をかけられた。「ごめんね気を使わせて。ありがとう。とってもよいマナーね」おばあちゃんはとっても笑顔だった。  外にでて思う。子どもたちは本当に素晴らしい。贔屓目もあるかもしれない。それでもやっぱりすばらしいと思う。伝えたこと以上に周りの状況を感じ取って、相手のことを意識しながら行動できる。みんななんのためにそうするのかがわかれば想像以上の行動をみせてくれる。でも私が伝えたいのは迷惑はかけないように、ということではない。まず自分自身が迷惑をかけてしまっていることに気づくこと。そして、結局誰もが人に迷惑をかけている。迷惑をかけているのだから、相手の迷惑も許してあげよう。そんな許し合うような考え方ができるようになってほしいなと思っている。  先週の9月3日でしばふハウスはスタートしてから5年が経った。5年。とても苦しいことも、悲しいことも、申し訳ないこともありました。5年の間に本当にたくさんの人に迷惑をかけたと思います。私には何一つ完璧なところはなく、いつもたくさんの人に支えられてなんとかやってきました。たくさんの支えのおかげで、たくさんの笑顔や喜びをいただき、幸せな今があるので、いただいた恩を返すだけでなく、たくさんの人に広げていきたいと思っています。どんな人の想いも、全力でサポートしていきたいと考えています。  きっと迷惑も感謝もおんなじで、自分がしたこと、されたことに注目するのではなく、だれかから自分に、自分からだれかに、大きな循環を考えられるようになれたら、やさしい輪ができるのだと思っています。私自身、だれもが受け入れ合える、やさしい輪を当たり前の環境として子どもたちに伝えられるよう、どんなことでも受け入れる姿勢を、言葉でも背中でも語っていけるように改めて意識していこうと思います。 三尾 新

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