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【おたよりコラム】あるべくしてある

 『吉平』ことしのおみくじに書かれていた2文字。細かい内容を読むととてもよいことばかり。それでいて波のない状態なのだとすると、とてもよい状態なのではないかと感じた。波のなく平坦な状態というとなにかつまらなそうな感じもするけれど、安定しているということは思いっきり走り出せる時期なのではないかな、と走り出したい気持ちでそわそわ。  そう思えるのは、2020年が波の多い時期だったというのも一因。コロナが広がりはじめ、しばふとしても運動会など春のイベントが中止に。4月になると学校も休みに。それと同時に教室はZOOMとリアルの並行、毎日のリズムを作るためのZOOM配信。5月に入ると学校のオンライン授業が始まった。学校にまだいったことのない1年生や兄弟がいる家庭にとってはなかなかに大変な時期だったのではないかと思う。そんななか学校のフォロー動画を作ってみたり、縄跳びチャレンジをしてみたり、終わりも見えず、答えもない中だったけれど、立ち止まることなくいろいろと模索することができた。毎年、夏はしばふにとってはイベント盛り沢山の時期のはずだけれど、多くのイベントを中止にする判断をした。そんな中でも開催を決め、全力でウイルスについての医学的な情報と向き合ったイベントもあった。目の前のことひとつひとつに正面から向き合い、『子どもたちにとって』ということを常に中心におき、考え続けた1年だった。コロナがなければもっと子どもたちにたくさんの成長のきっかけをつくることができたのに、もっとたくさんのことを伝えられたのにと悔やむことも何度もあった。動いても動いても悔しさばかり、こんなに泣く人だったっけ?と自分自身を疑うぐらいに自分の力のなさに涙をながした1年だった。

 それでも不思議なのは、この1年をやり直せるとしたら、何を変えたい?と自分に問いかけてみると、少しも迷うことなく「やり直す前と同じ決断をし、同じように行動するだろう」とすっと頭に浮かんだ。こう思えたのには2つの理由があると思う。それは、ひとつひとつしっかり考えて決断してきたと自信を持って言えるから、ということと、結局はどんな状況であれこの1年で起きた出来事は、自分にとって大事な出来事だと思えているからなのだと思う。コロナがあったから気付くことのできた新しい考え方、新しい行動、そして偶然の出会い。そういったものひとつひとつが今の自分を成長させてくれていると素直に感じている。たぶんなにかひとつ違うだけで、今の自分にはなっていないと思う。もちろん悩んだことも、苦しんだことも、嫌なこともあった。きっとひとりで全て抱えようとしたらこんなふうには思えず、パンクしてしまっていたと思う。しばふをやりはじめて1年目の年にこの状況になっていたとしたら耐えられなかったと思う。今までに積み重ねてきたつながりに、新しいつながりに、大人に、子どもに、たくさんの人に支えてもらえているからこそ、前向きに波の大きかった1年を振り返れているのだと思う。  2021年も決断すべきことの多い1年になるのではないかと思う。でも、まっすぐに、ただひたすらに、子どもたちの気持ちを中心に据え、行動し続ける1年にしていこうと思う。変化を恐れず、挑戦していく姿を、失敗する姿も含めて子どもたちにみせていこうと改めて心に誓った。

 年明け、公園にいって知らない子どもたちと遊んだ。だれも知る子がいない中で遊ぶ。ひとりひとりの心の動きを真剣に考え、距離感や言葉をさぐる。知った子になると、わかる分だけ力をぬいてしまう。初心忘るべからず。ひとりひとりに全力で向き合っていく!そんなことを、冷たい鉄棒で『だるままわり』『地獄まわり』の2つの技を練習し、33歳にして初めてできるようになりながら思った。足に青あざ、おなかに痛みを残しながら。

三尾 新

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